2022年3月21日付の日経新聞・朝刊に「男性の育児、企業どう後押し」
という記事があり、実に興味深く読みました。
男性の育児休業取得を促すため、2022年4月から段階的に施行される
『改正育児・介護休業法』に関し、4名の識者の意見を掲載しています。
この法改正でどこまで男性の育児休暇取得率が上昇するのか、注意深く
観察していきたいですね。
男性の育児を企業がどう後押しするか
2022年3月21日付の『日本経済新聞・朝刊:7面』に興味深い記事が載っていました。
男性の育児休業取得を促すため、2022年4月から段階的に施行される『改正育児・介護休業法』に伴い、4名の識者の意見が掲載されています。
男性の育休取得推進のためには、企業の後押しが絶対的に必要ですよね!
ちなみに僕が読んだ記事(紙媒体)の見出しは『”男”の育児、企業どう後押し』
となっていました。ネット上の記事では”男性”です。
なぜ変わっていたのかは分かりませんが、”男の育児”だと、どうしてもひと昔前
のイメージを持ってしまいますよね。。
「気づき」があったポイント
日本の育休制度は世界的に充実。ただ、男性の育休取得率は「1割」にとどまる。
世界で最も充実した制度でありながら、取得者は1割程度にとどまる。
2022年3月21日付・日本経済新聞「朝刊」7面:冒頭文
日本の育児休業制度自体は、世界的に見て「最も充実している」ということらしいです。なんだか意外ですよね。「タテマエ」と「ホンネ」を使い分ける日本独自のビジネススタイルが如実に表れているのでしょうか。将来的に少し掘り下げていきたいテーマでもありますね。
「取得率1割」ということで、僕も男性総合職として、育児休暇を取得したのは会社で初めてでしたが、やはり男性の育児休暇取得は進んでいないというイメージを持っています。
ただ、取得率がまだまだ低いとはいえ、僕が会社で育児休暇を取得することを伝えたときの周囲の反応からすると、「男性の育児休暇取得はだんだん認知されてきている」という印象を受けたのも事実です。
👇僕の育児休暇取得の体験談はこちら
従業員の長期離脱のリスクは常にある。「生産性」を考えるきっかけにも。
一時的には会社の業務に影響は出る。・・・(中略)・・・互いに理解しカバーし合うことで、全体として生産性を確保していく。いかに影響を少なくして生産性を確保するかは、会社としてずっと考えて続けていく。
2022年3月21日付・日本経済新聞「朝刊」7面
「次は自分も」で育休浸透/技研製作所 森部 慎之助氏
「従業員が1名、長期休暇に入る」というのは、やはり会社としても、部門としても、業務の遂行に大きな影響を受けるのは事実だと思います。それでも、病気や事故による従業員の長期離脱や、突然の退職などは、育児休暇に限らず常に企業に発生しうるリスクの1つでもあるはずです。
育児休暇の場合は「事前に分かっていること」であるわけですから、突発的な理由による従業員の欠員よりは対処しやすいのではないかと思いますし、そのような可能性を視野に入れて先に手を打っておくのはマネジメントの基本であると考えられます。
また、互いに業務を補完し合うことにより、仕事における「生産性」についても、従業員一人ひとりが考えるきっかけにもなるはずです。
「どのようにして生産性を高めるか」というのは、企業として常に考え続けなければならない極めて重要な課題の1つですよね。せっかくなら「男性の育児休暇を切り口」に考えてもよいかもしれません。
残念ながら先進国のなかでも、日本の労働生産性が低いことは
周知の事実ですよね。。
「人が減れば生産性が上がる」というのは安直すぎる考えだと
思いますが、「実はもっと効率的にできる」という気づきは
あるかもしれません。
人生100年時代、子が親に頼る期間は短い!
人生100年時代に、子供が親を求める時間は短い。仕事はその後でもできるから、貴重な子育ての機会を大切にしてほしい。
2022年3月21日付・日本経済新聞「朝刊」7面
育児経験者の情報共有を/4kiz 代表取締役CEO 本山 勝寛氏
この言葉にはハッとさせられました。人生100年と言われて久しい現代社会において、大卒で自立するまでの22年間を子育て期間と考えても、「約5分の1」にしか過ぎません。
(もちろん「健康的に長く生きる」ことが大前提だと思いますが)
さらにその22年間のうち、後半の10年間(中学~高校~大学)は、経済的な側面を除き、自分の経験からしても「常に子供が親を求める時間」とは言い難いでしょう。
小学校時代も、学年が上がるたびに少しずつ手がかからなくなってくるでしょうし、もっと言えば、保育園・幼稚園がスタートして子供が社会的なかかわりを持ち始めれば、少なくとも日中の何時間は親の手から離れるわけですから、本当の意味で「つきっきりで子供をお世話する期間」というのは、ごくごくわずかなのかもしれません。
僕たち夫婦の子供は0歳から保育園に預けるので「なおさら」です。
それに対して、僕ら親の世代が社会人として生活する期間は少なくとも「40年以上」。定年の延長や医学の発達等により健康寿命が延びることを楽観的に考えると、この先の時代はもっと長くなるかもしれません。
そう考えたとき、「子供が親を求める時間は短い」というのは、本当にその通りだなと思います。
長期的な視点を持つ。長い社会人生活を考えれば、育児休業の数か月はわずか。
長い目で見れば、会社にとって男性育休は損ではない。・・・(中略)・・・。何十年と言う職業生活を考えれば、数か月の休みはその後の働きで十分に取り戻せる。男性育休をうまく機能させるには、休みの間のことだけでなく長期的な視点を持つことが大切だ。
2022年3月21日付・日本経済新聞「朝刊」7面
「次は自分も」で育休浸透/技研製作所 森部 慎之助氏
同じように長期的な視点から見たコメントがありました。このようなことを自分の上司が言ってくれたら、どれだけ心強いことでしょう!
「負担」を「幸せ」に置き換える
4名の識者のコメントを受け、最後に編集委員の方が取りまとめていますが、その中で、
✅ 男性育休を議論するとき、子育ては「負担」という文脈で議論されがちだ
と指摘しており、その上で、
✅ その「負担」を「幸せ」に置き換えてみてはどうか
と提案しています。
子育ては「負担」ではなく「幸せ」、こんな前向きな考え方が、今すぐできるとはなかなか思えないですが、確かに子供ができて、改めて「幸せ」について考える場面は多々あった気がします。
男性育休がどんどん広がっていくことによって、そんな「幸せ」に関して考えることのできる機会が、日本中の新米パパとママにたくさん訪れることを願ってやみません。
とはいえ、「0歳児の子育て真っ最中」の身からすると、子供の対応に
追われる多忙な生活の中で、「幸せ」をしみじみ感じる余裕がないのが
正直なところでしょうか。笑
やはり少し時間が経ってから「改めて思い返してみると”幸せ”という
ことだったのかなぁ」と思うことが多い気がします。
日々「負担」と思って過ごしていることが、時間を経て「幸せ」に
変わってゆく、ということなのかもしれませんね。
以上、かりめろでした!